みなさんこんにちは!美琴です✨
今回は人気種、マンディブラリスフタマタクワガタの産卵方法について解説します!
これからマンディブラリスを飼育してみようと思っている方、
マンディブラリスの産卵セットを組んでみたもののなかなか産卵してくれないという方、
ぜひ最後までご覧ください!✨
マンディブラリスフタマタクワガタについて
マンディブラリスフタマタクワガタ(Hexarthrius mandibularis)は
フタマタクワガタ属最大種のクワガタです。
また、ギラファノコギリクワガタに次いで世界で2番目に大きい(体長のある)クワガタとしても知られています。
「マンディブラリス」とはラテン語で「水牛のような大顎」という意味で、
その名の通り非常に長くスラっとした大顎がかっこいいクワガタです。
マンディブラリスには体がより大きくなるスマトラ島亜種と、
赤色が非常に美しいボルネオ島亜種が知られています。
そんなマンディブラリスですが、
初心者の方にはやや飼育が難しい面があります。
それは、
産卵が思い通りにいかない可能性があるということです。
実際、私も本種を飼育したての頃はなかなか思ったように産卵してくれず骨を折りました😢
ですがそんな私も色々勉強する中で試行錯誤を繰り返し、スマトラ亜種、ボルネオ亜種合わせて数十の卵や幼虫を得ることができました!!!😭
ここからは、どうすれば産卵が比較的うまくいきやすいのか、私の経験から攻略のポイントを語っていきます😁
産卵のポイント
マンディブラリスを産卵させる上で私が重要だと思う点は、ズバリ、「試行回数」です!
身もふたもない話ですが、
どんなクワガタにおいても、(完璧だと思える産卵セットを組んだとしても)そこに必ず産卵してくれる保証はありません。
すなわち、「運」の要素が少なからず必要になってくるんですね。
とりわけマンディブラリスの場合は他の代表的なクワガタに比べ、上手くいく確率が低いです。
そのため、マンディブラリスの産卵は「確率論」として捉え、「数打ちゃ当たる」の精神を大切にしていただけたらと思います。
しかし、ただ単に「産卵が難しいから大量に産卵セットを組め」というのはあまりにも乱暴なアドバイスになってしまいますので、
ここからは、何がマンディブラリスの産卵を難しくしているのかについてもう少し詳しくお話ししたいと思います。
マンディブラリスの産卵を難しくしている要因ーそれは、メスと産卵木との相性です。
フタマタクワガタの仲間は基本的に材産みです。
しかし、同じ材産みであるグループ、例えばドルクス属(オオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタなど)と比較すると総じて産卵の難易度は上がると思っています。
フタマタクワガタはメスそのものに何らかの問題があったり、メスが産卵木を気に入らなかったりすることがあるので、なかなか有精卵を産んでくれない!ということがあります。
まず、メスそのものに問題があるパターンはどういうことかというと、
メスに産卵する意思があっても無精卵を産んでしまうことや、
空撃ち(からうち)といってメスが産卵行動に入るにも関わらず実際には卵が産み落とされていないということが度々起こる、ということです。
次に、メスが産卵木を気に入らないパターン。
いくらメスの状態が万全(健康、交尾済み、不妊でない)だったとしてもメスが材を気に入らない場合も多いです。
どのくらいシビアかというと、
例えば、同じ樹種を与えても産卵する材としない材があるとか…
ともかく、やってみるまで結果が分からないのがマンディブラリスの産卵です。
ですので、手間と予算が許す限りはなるべく多く(3つくらいは)セットを作っていただければと思います…!🙏
繰り返しになりますが、マンディブラリスの産卵を決定づける要因はメスと産卵木の組み合わせです。
あえて公式を書くならば…
マンディブラリスの産卵成功率=メス(数・状態)×産卵木(数・質)
という感じでしょうか?
ここからは
「メス」と「産卵木」それぞれのポイントを見ていきましょう!
ポイント1:メスの用意
まず、マンディブラリスのメスを用意しましょう。
ワイルド個体でもブリード個体でも大丈夫ですが、
ワイルドの場合、自信を持って「マンディブラリス」と同定できるものにしましょう。
というのは、フタマタクワガタのメスはどれも似た外見をしていて、「マンディブラリス」として入手したとしても実は別種(セアカやリノケロスなど)のメスだったりするからです。
マンディブラリスのオスと別種のメスを掛け合わせても一応次の代はハイブリッドとして生まれることはできるらしいのですが、
それはみなさんの望むところではないと思います(ハイブリッドが尊ばれる風潮も一部ありますが…)。
やはりマンディブラリスはマンディブラリスとして幼虫をGETしたいですよね!
そしてメスを入手したらオスとペアリング(交尾)させます。
ここでペアリングが上手くいっていないと後々有精卵を産まないことに繋がりかねませんのでできるだけ目視で確認するようにします。
ちなみにワイルドのメスの場合、持腹で産卵させるからという理由でオスとペアリングさせない方もいらっしゃると思いますが、
私は念のためペアリングさせるようにしています。
もちろん、採集地でオスと交尾していない可能性があるから、という理由もあるのですが、
私がもっと危惧しているのは先述した「ハイブリッド」フタマタが生まれてしまうリスクです。
仮にメスが正真正銘のマンディブラリスでも、現地でオスのセアカやリノケロスと交尾していたら生まれる子どもはハイブリッドになってしまいますので、家でしっかりマンディブラリスのオスとペアリングさせるようにしています。
メスがフセツ欠けやスレもなく元気に動き回っていたらより安心です。
ちなみに先ほど少し書きましたが、
メスによっては不妊の個体や一向に産卵する意欲のない個体もいますので
可能な限り3個体ほど用意しておくのが良いです。
こればかりは運ですので!
ポイント2:産卵木の用意
続いて、産卵木を用意します。
私はノーマル(椎茸のホダ木)のナラ材で、少し柔らかめのものを使うとたくさん幼虫が得られました!
ノーマルのクヌギ材でも良いと聞いたこともあります!
私が産卵に失敗していた時期はカワラ材(天然、植菌どちらも)とバクテリア材(インターメディアのフンに漬けた物)をよく使っていました。
確かに、カワラ材もバクテリア材もマンディブラリスの産卵にはよく使われますし、成功している方も多いのですが、自分はなぜかダメでした…😭
私が読んだ書籍によれば、
カワラ材やバクテリア材は特有の「におい」を放っていて、フタマタクワガタが忌避する場合もある
ということでした。
まあ、これも絶対の正解はないですので、余裕のある方は試しにホダ木の他にカワラ材、バクテリア材と、1つの産卵セットに複数種類入れてみてもOKだと思います!
産卵木が用意できたら加水していきます。
まず樹皮を全て取っていきます。
樹皮を取ったら水に浸けるのですが、
自分の場合、桶などに水深5cmほどの水を張り、片方の木口を2、3分浸けます。
そしてひっくり返し、もう片方の木口を2、3分浸けます。
最後に、風通しの良い場所で15分ほど置いて乾かします。
人によってはもっと入念に加水するかもしれませんが、私は産卵木に極力カビを生やしたくないので、加水は最低限で行っています。
カビが生えるとメスが産卵してくれない原因になっちゃいます💦
※もしカビが生えてもすぐにティッシュなどで拭けば大丈夫です。
繰り返しになりますが、マンディブラリスは本当にメスの好みがうるさいですので、どの産卵木がハマるか分かりません。
先述の通りホダ木だけでなくカワラ材、バクテリア材も効いてくるかもしれませんし、
同じホダ木でも樹種をいくつか試してみると良いかもしれません。
もっと言えば同じ樹種でも様々な形、直径の産卵木がありますから、いろいろ与えてみましょう!
こればかりはやってみないと何とも言えません。
一定期間セットを組んでも反応がなければ、(産卵木がもったいない気もしますが)次へ次へと産卵木を取り替えてリトライしていきましょう!
よくあるトラブルと対処法
空撃ちになるor無精卵を産む
→メスが産卵行動に入っているのが確認できれば、産卵の「意思」自体はあることが分かります。もう一度しっかりオスと交尾させてみて再セットしましょう。それでもダメそうならメスに何かしらの問題があると判断し、メスを代えてみましょう。
そもそも産卵行動に入らない
→メスが材(産卵木)を気に入っていない可能性がありますので、材の交換をおすすめします。また、管理温度が適切でない可能性もありますので、30度を上回らない範囲内で室温を上げたり下げたりしてみると良いかもしれません。
メスが材を齧ってばかりで一向に産卵しない
→メスにとって材がやわらか過ぎると遊びで齧って終わってしまうことがあります。こればかりは経験則も必要ですが、もう少しだけ硬い材(人の爪の跡が付く程度)を用意してみてください。
まとめ
今回はマンディブラリスの産卵のポイントについて書かせていただきました!
マンディブラリスを産卵させる上ではメスと産卵木の組み合わせが大事だということをお伝えしました。
メスに問題があったり、メスが産卵木を気に入らなかったりして100%産卵が成功することはないため、
一度失敗してもリカバリーが効くようにメスも産卵木も複数用意しておくと良いです。
もし卵が一発で採れなくても落ち込む必要はなくて、「次があるさ♪」と余裕を持って構えておくと精神衛生上良いです笑
産卵の難しさはありますが、幼虫も比較的丈夫ですし、何よりもオスの成虫が本当にカッコイイですので、ぜひ多くの人に挑戦していただきたい種ですね〜
気長にやってみましょー!
ここまで読んでくださりありがとうございます(^^)
次回の記事もお楽しみに!
だすびだ〜にゃ⭐️
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