【徹底解説】マンディブラリスフタマタクワガタの産卵セット組んでみた!〜2025年版〜

フタマタクワガタ

みなさんこんにちは!美琴です✨

今年もこのイベントがやってきました。

マンディブラリスフタマタクワガタの産卵です!

今回も上手くいったので、私なりの産卵成功術をここに書いていきたいと思います!

とはいえあくまで私の家の環境でのケースですから、この通りにすれば絶対に卵を得られるとお約束することはできませんが、

私はこれから解説する方法で産卵セットを組むようになってから100%メスが産卵してくれるようになりました!!!

しかし実はそんな私も、これまでは本種の産卵に何度もチャレンジしては尽く失敗続きだったんですよね…

当時は確か合計4メス用意して産卵セットを組みましたが有精卵は一個も得られず、心が完全に折れていました。

…そんな私がどうしてマンディブラリスの産卵を成功させられるようになったのか。

マンディブラリスの産卵がなかなか上手くいかない、

もしくはこれからマンディブラリスをブリードしてみたい、

という方に向けてのヒントになれば幸いです🙏

スマトラ亜種、ボルネオ亜種ともに有効な方法をご紹介します!

ステップ1:ペアリング

まず、成熟したオス・メスを用意します。

マンディブラリスは丁寧に育てていればある程度寿命の長い種だと私は思いますので、

焦らず、ブリード個体であれば羽化後3ヶ月程待って十分成熟してからペアリングさせてようにしています(この期間にゼリーを食べるようになっているはずです(所謂「後食」))。

一方、ワイルド個体の場合はいつ寿命が来てもおかしくありませんので、

入手してからなるべくすぐにペアリングさせます。

ワイルドの場合ペアリングさせなくてもメスをそのまま産卵セットに投入する、という方法もありますが、

私の場合、念には念を入れてオスとペアリングさせるようにしています。

なぜなら、第一に採集地でオスと交尾しているのか断言はできないからです。

未交尾の場合、産卵セットを組んでも有精卵を産んでくれないことになります。

他の理由としては、採集地で別種のオスと交尾している可能性もあるからです。

例えばスマトラ島には本種の他に、近縁なセアカフタマタクワガタやリノケロスフタマタクワガタが同所的に分布しています。

もし現地でマンディブラリスのメスがこれらのオスと交尾していた場合、

種間のハイブリッドの子が生まれてくることもあるそうです。

ハイブリッドを見て楽しむという道もあるかもしれませんが、

私は「純粋な」マンディブラリスの子を得ることを目的としていますので、

ワイルドのメスは必ずマンディブラリスのオスと掛け合わせることにしています。

尚、これは聞いた話なのですが、クワガタ(もしかしたら昆虫一般?)に関しては、

後から交尾したオスの遺伝情報が受け継がれるんだそうです。

ちなみにですが、ハイブリッドを誕生させないためにも、

使用するメスについてもブリード個体がおすすめです(特に初心者の方は)。

フタマタクワガタのメスは非常に似通っていて、特徴を掴んでいないとセアカ、リノケロスのメスと見分けるのは難しいです。

ですのでオスは明らかにマンディブラリスを使用していても交尾相手のメスがセアカ、リノケロスだと

こちらもまた、ハイブリッドが生まれる原因になってしまいます。

ブリード個体、特にスマトラ亜種はオークションなどで手に入ることがありますので探してみましょう。

さて、ここからは実際のペアリングの手順に入ります。

あくまで私の場合ですが、

ペアリングは同居ペアリングを行うようにしています。

というのも、私はあまりハンドペアリングが得意ではないからです。

ただ、マンディブラリスに関しては交尾欲もそれなりにある種ですので、

同居させておくと高確率で交尾していると思います(実際ふとケースを覗くと交尾しているのをよく見ます)。

ケースは

クリアースライダー(普通サイズ)
コバエシャッター(ミニ)

のどちらかを使用しています。

同居期間は最低1週間は取るようにしています。

ただ、あまりにも長く同居させすぎてもオス、メスともにストレスを感じる可能性があるので、

もし万が一ケンカが起こるようなことがあれば2匹を引き離してあげてください。

また、他に言及しておいた方が良い点として顎縛りが挙げられるかと思います。

クワガタの仲間は種によってはオスとメスの相性が悪いと、怒ったオスがメスを大顎で挟んで殺してしまう、ということが時々起こります。

で、気になるマンディブラリスの性格ですが、かなり荒いです💦(ちなみにメスも…)

特に大型個体ともなると力が強いですので、確実にメスが無事であるように顎を縛ってしまうのは手だと思います。

ちなみに我が家では顎縛りをすることでオスが交尾を嫌がった経験は今のところ一度もありません。

しかし、案外凶暴にも思えるマンディブラリスのオスも、

メス相手だと紳士的というか、攻撃を仕掛けにくい、というお話もかなり聞きます。

試しに今年私は一切顎縛りをせず合計5、6ペアを同居させましたが、

全てのオスがメスとは上手くやっていたようで、メスが真っ二つに切断されていた…なんてことはなかったです!👏

※ただし、どのオスも60ミリ前後と、かなりの小型個体であったため気性もおとなしく殺傷能力も低かっただけに過ぎないのかもしれません。顎縛りをせずに同居される方はこれをあくまで参考程度にとどめ、自己責任でお願いいたします。

マンディブラリスフタマタクワガタに限った話ではないですが、以下に顎縛りのメリット・デメリットをまとめます。

顎縛りをするメリット顎縛りをするデメリット
メスが殺される心配がない大顎を縛る際、縛りを解く際に手間がかかる
オスがメスに攻撃された場合、オスが抵抗しにくくなる
オスが交尾を嫌がる可能性が少しある

同居ペアリングして1週間経ったら、いよいよ産卵材を準備します。

ステップ2:産卵材の準備

産卵材と一口に言っても、巷では様々な材が扱われているかと思います。

シイタケのホダ木から、カワラ材、レイシ材、バクテリア材などです。

私は、マンディブラリスフタマタクワガタには断然、シイタケのホダ木をオススメします!!!(一番安いですし)

マンディブラリスの産卵にはシイタケのホダ木がオススメ!

かつての私は

天然カワラ材
植菌カワラ材
自作バクテリア材(インターメディアツヤクワガタの幼虫のフンの中に一定期間材を埋めて作成)

を使用してきました。

実際、これらの材を使われてマンディブラリスの産卵を成功させておられる方はいらっしゃいますし、

おそらくセオリーで言えばそうなのだと思います。

しかし、なぜか私の場合全くメスが産卵行動に出ませんでした。

殆どの個体が材を齧ろうともしませんでしたし、

材をガリガリ削り出したかと思えばそのまま材を破壊してしまった個体もいました。
(産卵に関係なく遊びで齧っていただけと思われる)

まだ何とも言い切れませんが、

おそらくカワラ菌や他種のフンなどの独特な「におい」が産卵を遠ざけたのかもしれない、と推測しています。

もうダメかも…と諦めようとしたその時、

ある書籍でフタマタクワガタの産卵について解説してあるのを目にしました。

そこには、

ノーマルのホダ木で産卵させると良い-と。

物は試しだということで今度はダメ元でホダ木(ナラ材)を使ってセットを組みました。

するとどうでしょう-

面白いくらいにポコポコ産卵するんですね!!!

その時は3メス(スマトラ1、ボルネオ2)セットしたのですが、

1個体あたり15卵くらい採れたと記憶しています。

爆産しないと言われているマンディブラリスにしては上出来ではないでしょうか?

-というのが前回(2024年)の話!(紛らわしくてスミマセン💦)

今年(2025年)も同様の方法でやってみて成功しましたので、写真付きで手順をご説明します!!

まずはナラ材を用意しました。(書籍にはクヌギ材でも良いと書いてありました)

木口に爪を立てると跡がつくくらいやわらかいものを選ぶと良いです。

そして可能なら直径が大きい(太い)ものをチョイスします。

やはり大きい材ほど表面積が大きいですから産卵できる場所が多くなりますし、重さもあるので産卵時、安定します。

また、

芯(中心のかたい部分)の少ないものがいいですね。

そしてこれも重要なのですが、

同じ種類の材でも複数本(今回は3本)用意するようにしましょう!

この世には2つとして同じ材は存在しません。1つ1つ形や質感が異なっています。

メスがどの材を気に入るかは本当にやってみないとわかりません。

数を撃たなきゃしょうがない部分はどうしてもあるので、

ダメだった時の保険として材は複数本確保するようにしたいです。

続いて加水していきます。

水を張った容器(何でもいいです)に片方の木口を浸け、2〜3分待ちます。

次に上下ひっくり返してまた2〜3分程待ちます。

加水時間はトータル5分くらいで抑えるのがポイントです!

5分で十分水を吸います。この後多少水分を飛ばすのでタプタプに水を含ませる必要はありません。

加水したら樹皮を剥いでいきます。

水を吸っていることもありカンタンにできました!

この時ノミを使うのがやりやすいです!

最後に、10〜15分程風通しの良い場所で材を乾かします。

ステップ3:産卵セットを組む

まず、コバエシャッター中を用意します。

コストを抑えるには少し大きめの100均の容器などに空気穴を開ければ良いのかもしれませんが、

ここはお金を払ってでもコバシャ中と決めています。

まず、大きいですので産卵材が3本程度入ります。

産卵材を3本寝かせて入れられる容器は100均での取り扱いが少ないのではないでしょうか。

それから、それだけ材を入れたとしてもメスが十分動き回るスペースが確保できます。

狭すぎるケースにメスを入れて動きに制限をかけてしまうと、本来のパフォーマンスを発揮してくれないかもしれません。

さらに、ケース内が適切な湿度に保たれます。

下手に自作した容器を使って中が乾燥したり蒸れたりすると、こちらもメスの産卵行動に影響しかねません。

それでは実際にセットを組む様子を写真でお伝えします!

まず、ケース底面にクワガタ用のマット(これは特にこだわりはありません)を敷きます。

これは、卵が底面に転がって幼虫が孵化してしまった場合に、幼虫が死なないようにするためです。

本来は木の中で卵が孵るのが良いのですが、どうしても外に卵がこぼれ落ちてしまうことがあります。

そんな時でも孵化した幼虫が敷いてあるマットを食べられるので安心できる、というわけです。

そして先程の材を全て入れ、

ゼリー(なるべくたくさん)とペアリング済みのメスを入れます(写真の真ん中の材に乗っています)。

人によってはこのまま数ヶ月待つと思うのですが、私は卵で割り出すことを強くオススメします。

続けて解説します。

ステップ4:卵割出

メスを投入して上手くいけば数日で材を齧り始めます。

卵が産み付けられた材は、こんな感じにボロボロになります↓↓↓

※この材は先程お見せした3本の材とは異なります。先にこちらの材を使ったセットで卵が多く産み付けられていたので写真を撮るタイミング的にもこちらを使わせていただきました。
しかし、先程お見せした材に関しても後日、3本中2本にはしっかりと産卵されていましたのでご安心ください。

メスが木に穴を開けてそこに卵を産み、木屑や敷いておいたマットなどで穴を埋め戻すんですね。

その中でも青い丸を付けた箇所にご注目下さい!

ここの木屑をマイナスドライバーで優しく掘り出すと…

ちゃんと卵が産んでありました!!!(青い矢印の先にあります)

卵を傷つけないようにそっとマイナスドライバーで取り出し、

あらかじめ用意しておいたプリンカップ(私は200cc)にマットを入れ、マットの上に卵を転がしておきます。

※極力ドライバーで卵に触りたくないという方は、卵が見えた段階で材をポンポンと叩いてみましょう。ポロッと落ちる卵をプリンカップに敷いたマットで受けます。こうすれば比較的安全に卵を取り出せます!

プリンカップには必ず空気穴を開けておいて下さいね!!!

数週間したら幼虫が生まれてきます!👍✨✨

ある程度大きくなるまでプリンカップで管理です!

ちなみに、なぜ私が卵で割り出すことに決めているのか、その理由をお話します。

それは、ハズレメスを早い段階で見分けるためです。

ハズレメスとは、なんらかの理由で有精卵を産めないメス個体のことです。

材は齧るものの産卵痕を掘り返してみたら何も卵がなかったり、

無精卵(張りがなく形が歪です)が産みつけられていたりすることがあります。

もしこのようなメスを産卵セットに使用し、例えば数ヶ月後に卵を回収しようとしても有精卵が0だったとすれば時間と使用した材が無駄になりますよね。

ですので材の表面に産卵痕が付いたら早い段階で中をチェックして、

もし有精卵が採れていないようでしたらすぐに次のメスを用意し、産卵セットを組み直すことが大切です。

詳しくは後述しますが、マンディブラリスフタマタクワガタを産卵させるには予め複数のメスを確保しておくと良いですよ!!!

補足:メス(できればオスも)は複数用意しましょう!

先程も書きましたが、

もし可能ならメスは複数用意しておきたいところです。

もっと言うと、オスも複数欲しいです。

身も蓋もない話ですが、

ペアリングに使う成虫たちが増えれば増える程、卵を採れる確率は上がります。

クワガタはやはり生き物ですので、絶対はありません。

限りなく近い条件の下で産卵セットを組んでも上手くいく場合とそうでない場合は当然あります。

上手くいかない場合、原因は例えば以下のようなことが考えられます。

・一定期間オスと同居させてもメスがどうしても交尾を拒む
・オスが不妊
・メスの好き嫌いが激しく、どうしてもセットした材が気に入らない
・メスに産卵する意思はあり産卵行動に出るが、卵を産まない、もしくは無精卵しか産まない(メスが不妊)

残念ながらこれらを全て人間の力でコントロールするのは難しいです…

ですので多少失敗しても良いように「控え」のメンバーを用意しておくと良い、ということです!

尚、もっと突っ込んだことを言うと、

ペアリングに使う成虫たちは「きょうだい個体」じゃない方が良いのかもしれません。

以前、オークションでスマトラ産のマンディブラリスを1オス3メスのきょうだいで入手したことがあります。

単に材との相性が悪かっただけなのかもしれませんが(当時はシイタケのホダ木を使っていませんでした)、

結果から言うと1個も卵を得られませんでした。メスを3個体も用意したのに、です。

余談ですが、別種の例としてブルマイスターツヤクワガタのトリオ(1オス2メスのきょうだい)でも産卵セットを組んだことがあります。

こちらも2メスとも卵は産めませんでした。

産卵用のマットに潜り、産卵行動を取っていた(上翅からお尻を出したり引っ込めたりしていた)にもかかわらずです。

ここからは私の考えになりますが、

きょうだいということは遺伝情報が似通っていると言うことになりますので

生殖に関係する遺伝子に何らかの問題があればきょうだい間で共有されていてもおかしい話ではありません。

この経験から、もしできるのであれば違う血統の個体たちを繁殖に使った方が良いかもしれない、という考えに至りました!(さすがにここまでされる方は少ないと思いますが…😅)

まとめ

ここまで長くなりましたが、改めてマンディブラリスフタマタクワガタの産卵のポイントをまとめていきます!

・なるべく、「マンディブラリスフタマタクワガタ」と同定済みのメスを使う(ブリード個体がオススメ!)
・可能なら複数オス、メスを確保する
・1週間程同居ペアリングさせる(オスの顎縛りをするかは状況によって判断)
・シイタケのホダ木を使ってみる(私の場合ナラ材)
・コバエシャッター中を使う
・頻繁にセットをチェックし、卵で割り出す

こんなところでしょうか!

産卵が簡単ではない種というだけあって、成功した時の喜びは一入ですよ!

…と産卵については少し語れるくらいにはなったのですが…

肝心の大型オスを羽化させるレベルには私、まだ至っていないんです💦

やっぱりマンディブラリスといえば世界で2番目に大きくなる種、

大型のオスをこの目で見たいですよね!!

私もまだまだ飼育初心者です。

マンディブラリスを飼育する方々と一緒に頑張っていきたいと思います!💪

ここまで読んでくださりありがとうございます(^^)
次回の記事もお楽しみに!
だすびだ〜にゃ⭐️

コメント

タイトルとURLをコピーしました